製菓衛生師の専門学校・養成施設|取れる学校の選び方

製菓衛生師の専門学校・養成施設の選び方を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が厚生労働省・都道府県などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。試験日程や受験資格、手数料は都道府県や年度によって変わることがあるため、最新の情報は受験する都道府県(実施団体)の公式サイトで確認してください。

パティシエや和菓子職人を目指して、製菓衛生師の専門学校を探し始めたものの、学校が多すぎてどこから見ればいいか分からない。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、学校選びは「その学校が製菓衛生師養成施設かどうか」を確かめるところから始まります。

この記事を読むと、製菓衛生師が取れる学校の正しい意味と、自分に合う学校の比べ方が分かります。

目次

「製菓衛生師が取れる学校」って、どういう意味?

先に結論

学校を卒業しただけでは、製菓衛生師の免許はもらえません。「取れる学校」とは、正しくは「試験の受験資格が得られる学校」のことです。

学校のパンフレットやサイトで「製菓衛生師が取れる」という言葉を見かけますよね。

『卒業したら自動的に資格が付いてくるんでしょ?』と思っている方もいるかもしれません。実はそこが、いちばん誤解されやすいところなんです。

卒業で得られるのは「受験資格」

製菓衛生師法では、免許は製菓衛生師試験に合格した人に与えると決められています。

学校で1年以上学ぶと得られるのは、その試験を受ける資格です。卒業した後に試験を受けて、合格して、はじめて免許の申請に進めます。

段階やることここで手に入るもの
1製菓衛生師養成施設で1年以上学ぶ試験の受験資格
2都道府県などが行う製菓衛生師試験を受ける合格の通知
3住所地の都道府県に免許を申請する名簿への登録と免許証
4免許証が届く「製菓衛生師」と名乗れる

調理師の学校とはここが違う

よく比べられる調理師は、調理師養成施設を卒業すると試験なしで免許を受けられます。

製菓衛生師はそうではなく、養成施設を出た人も試験に合格する必要があります。「調理師と同じ感覚で考えていた」という方は、ここだけ覚えておいてください。

学校以外の道もある

受験資格は、菓子製造業で2年以上働いて得ることもできます。学校に通うのは2つある道のうちの1つです。くわしい条件は製菓衛生師の受験資格で紹介しています。

製菓衛生師養成施設で学んでから、試験合格、免許申請、免許証の交付までの4段階を示した図解

製菓衛生師養成施設は、どうやって探す?

探す時の土台は厚生労働省の一覧

製菓衛生師養成施設は、都道府県知事が指定した学校です。厚生労働省が全国の一覧を公開しているので、気になる学校がそこに載っているかを最初に確かめてみてください。

『製菓の専門学校なら、どこでも受験資格が得られるんじゃないの?』と思いますよね。

ただ、製菓を学べる学校と、製菓衛生師養成施設として指定されている課程は、同じとは限りません。同じ学校の中でも、コースによって扱いが違うこともあるんです。

一覧の見方の手順

厚生労働省の「製菓衛生師養成施設一覧」(令和8年7月31日現在)には、全国で約180の課程が載っています。大学・短大・専門学校・高校と、学校の種類もさまざまです。

高校生の方なら、進学先だけでなく、今通っている高校や受験を考えている高校の課程が一覧に載っていることもあります。専門学校だけに絞らずに、一度ひと通り眺めてみるのがおすすめです。

一覧で確かめる流れ
  1. 厚生労働省の製菓衛生師養成施設のページを開く
  2. 一覧から、通える範囲の都道府県の欄を探す
  3. 気になる学校の名前と課程(昼間・夜間・通信)を確かめる
  4. 修業年限(1年か2年か)を見る
  5. 学校のサイトで、自分が入りたいコースが一覧の課程と同じかを確かめる

一覧のページは厚生労働省 製菓衛生師養成施設から開けます。

「製菓衛生師学校」の探し方で気をつけたいこと

検索で出てくる学校の紹介ページは、学校側が書いた案内です。読みやすい反面、受験資格の扱いが小さく書かれていることもあります。

例えば、同じ学校に「製菓衛生師コース」と「カフェ・製菓コース」がある場合、受験資格の対象はどちらなのか。こういう所は、学校に直接聞くのがいちばん確実ですよ。

よくある失敗

「製菓」という名前の学科に入学したのに、受験資格の対象の課程ではなかった、という行き違いです。入学を決める前に、学校へ「このコースを修了すると製菓衛生師の受験資格は得られますか」と一言聞いておくと安心です。

昼間・夜間・通信、課程はどう違う?

課程は生活に合わせて選ぶ

製菓衛生師養成施設には、昼間・夜間・通信の3つの課程があります。修業年限は1年〜2年が中心で、学校によって違います。

高校を卒業してすぐ進学するのか、働きながら学ぶのかで、向いている課程は変わります。まずは3つの違いを表で見てみてください。

比べる点昼間課程夜間課程通信課程
学ぶ時間平日の日中平日の夕方から夜自宅学習が中心で、登校日(スクーリング)がある
向いている人高校卒業後に進学する人昼間に仕事がある人遠方に住んでいる人、仕事を続けたい人
実習の受け方毎日のように実習室で学ぶ授業時間の中で実習を受けるスクーリングでまとめて実習を受ける
気をつけたい点学んでいる間は働く時間が限られる仕事との両立で体力を使う自分で学習ペースを守る必要がある
受験資格修了で得られる修了で得られる修了で得られる

どの課程でも、指定された養成施設を修了すれば受験資格が得られます。違うのは、学び方と生活の組み立て方なんです。

1年制と2年制はどう考える?

『1年で取れるなら、1年制で十分じゃない?』という声もよく聞きます。

受験資格の条件は「養成施設で1年以上」なので、1年制でも条件は満たせます。2年制は、その分だけ実習の時間や学べる分野が広がるのが一般的です。

1年制のよいところ
  • 早く現場に出られる
  • 学ぶ期間が短く、生活の計画を立てやすい
  • 目標がはっきりしている人に合う
1年制で気をつけたいところ
  • 授業と実習の予定が詰まりやすい
  • 学べる分野を絞ることになりやすい
  • 進路を考える時間が短い

ちなみに、専門学校の中でも修業年限2年以上・総授業時数1,700単位時間以上などの条件を満たす課程を修了すると、「専門士」の称号が得られます。2年制を選ぶ時の判断材料の1つになりますね。

通信課程が気になる方へ

通信課程は、働きながら受験資格を目指せる道です。ただし、登校して実習を受けるスクーリングがあります。

民間の通信講座とは別物なので、ここは混ぜないように気をつけたいところです。違いは製菓衛生師は通信講座で取れる?でくわしく紹介しています。

昼間・夜間・通信の3つの課程を、学ぶ時間と向いている人で比べた図解

製菓衛生師専門学校を比べる6つの観点

名前や雰囲気より、6つの観点で並べる

学校選びで迷ったら、指定の課程・実習の分野・実習の量・試験対策・就職の支え方・通いやすさの6つで比べてみてください。並べて見ると、自分にとっての違いがはっきりします。

『パンフレットはどこもきれいで、全部よく見える』という方も多いですよね。だからこそ、比べる軸を先に決めておくのが大事なんです。

観点確かめること見る場所
1 指定の課程か入りたいコースが製菓衛生師養成施設の課程か厚生労働省の一覧と学校の案内
2 実習の分野洋菓子・和菓子・製パンのどれをどのくらい学べるかカリキュラム表
3 実習の量1週間に実習が何コマあるか、1人で作る時間があるか時間割の例、授業見学
4 試験対策6科目の試験に向けた授業や模擬試験があるか学校の説明、在校生の話
5 就職の支え方求人の紹介、現場実習、進路相談の仕組み進路の案内、説明会
6 通いやすさ通学時間、授業の時間帯、学ぶ期間地図、学校案内

実習の分野は「どれを作りたいか」で決まる

製菓衛生師試験の製菓実技は、和菓子・洋菓子・製パンから1つを選ぶ筆記の問題です。学校でも、どの分野を中心に学ぶかはコースによって違います。

例えば、ケーキ屋さんで働きたい人と、和菓子屋さんで働きたい人では、実習で触れたい道具も材料も変わりますよね。カリキュラム表で、自分が作りたいお菓子の時間が十分あるかを見てみてください。

試験対策の中身を聞いてみる

養成施設を出ても試験に合格しないと免許にはなりません。だから、学校の中で試験対策がどう組まれているかは、意外と大事なところです。

衛生法規や食品衛生学など、座学の科目も試験には出ます。勉強の進め方を先に知っておきたい方は、製菓衛生師試験の対策も参考にしてみてください。

就職の支え方は、仕組みで聞く

『卒業したあと、ちゃんと働く場所が見つかるのかな』という不安もありますよね。ここは数字より、どんな仕組みで支えてくれるかを聞くのがおすすめです。

例えば、学校に届く求人をどう紹介しているのか。

現場で実習をする機会があるのか。進路の相談に何度でも乗ってもらえるのか。

この3つが分かると、卒業前の1年間をどう過ごすかがイメージしやすくなります。

聞くこと聞き方の例答えで分かること
求人の紹介「求人はどんな業態から届きますか」洋菓子店・ホテル・ベーカリーなど、つながりのある業界
現場での実習「お店で実習する機会はありますか」在学中に現場を体験できるか
進路の相談「進路の相談はいつから受けられますか」早めに準備を始められるか
卒業後の支え「卒業してからも相談できますか」転職や学び直しの時に頼れるか

通いやすさは、1年続けられるかで考える

通学時間は、入学前は軽く見てしまいがちです。ただ、実習の日は道具や作ったお菓子を持ち帰ることもあるので、片道の時間が思った以上に響くことも。

「この道のりを、雨の日も1年間通えるか」と想像してみてください。社会人なら、仕事が終わってから授業に間に合うかも大事な点です。

学校案内で見落としやすい所
  • 受験資格の対象になるコース名を確かめる
  • 実習が洋菓子・和菓子・製パンのどれ中心かを確かめる
  • 試験対策の授業や模擬試験の有無を確かめる
  • 学費以外にかかる費用(道具や教材など)を確かめる
  • 教育訓練給付制度など、使える制度の対象かを確かめる

何校かの資料を並べると違いが見える

学校のサイトだけでは、6つの観点が全部そろわないこともあります。そんな時は、いくつかの学校の資料を取り寄せて、同じ観点で並べてみるのが近道です。

資料請求で何を見ればいいかは、製菓の専門学校・講座を資料請求で比べる方法で表にまとめています。

製菓衛生師ドットコム

製菓の学校・講座を比べたい方へ

製菓衛生師を目指す道は、製菓専門学校(養成施設)の昼間・夜間・通信課程、大学・短大、お店で働きながらの実務経験とさまざまです。自分に合う学び方を選ぶには、気になる学校や講座の資料を取り寄せて、実習の量や試験対策、就職の支え方を見比べるのが近道です。比べ方のチェックポイントをまとめました。

無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る

受験資格が得られるのは都道府県知事が指定した養成施設です。指定の有無は厚生労働省の養成施設一覧や各学校の案内で確認できます。

オープンキャンパスで聞いておきたいこと

資料で気になった学校は、オープンキャンパスや説明会で実際に確かめてみましょう。現場の雰囲気は、紙の上では分からないことが多いんです。

その場で聞きそびれないように、質問をメモにして持っていくのがおすすめです。例えばこんな聞き方ができます。

「このコースを修了すると、製菓衛生師の受験資格は得られますか」

「実習は1人で最初から最後まで作る時間がありますか、それとも班で作りますか」

オープンキャンパスで聞く質問リスト
  • 受験資格の対象の課程かどうかを聞く
  • 1週間の実習のコマ数と、班の人数を聞く
  • 洋菓子・和菓子・製パンの実習の割合を聞く
  • 試験に向けた授業がいつ頃から始まるかを聞く
  • 卒業生がどんな業態(洋菓子店・ホテル・ベーカリーなど)で働いているかを聞く
  • 授業のない日や長期休みの過ごし方を聞く

答えを聞いたら、家に帰ってすぐ6つの観点の表に書き込んでおくと、あとで比べやすくなります!

学校に行くか、働きながら目指すか、どう決める?

「早く現場に出たいか」と「体系的に学びたいか」で決める

製菓衛生師の受験資格は、養成施設で1年以上学ぶか、菓子製造業で2年以上働くかのどちらかで得られます。どちらが正解ということはありません。

『学費をかけて学校に行くべきか、お店で働きながら目指すべきか』と悩む方もいますよね。

ここで大事なのは、資格は名称独占の国家資格で、免許が無くてもお菓子を作る仕事はできる、という点です。学校に行かないと製菓の仕事に就けない、ということはありません。

今の状況学校(養成施設)働きながら(実務2年)
高校3年生で、基礎から学びたい向く向く(就職先を探す)
すでに洋菓子店やパン屋で働いている比べてから向く
製菓の仕事は初めてで、何から始めればいいか分からない向く比べてから
仕事を辞めずに受験資格がほしい夜間・通信なら向く向く
和菓子・洋菓子・パンを幅広く学びたい向く職場による
学費をかけずに目指したい比べてから向く

実務経験ルートで気をつけたいこと

働きながら目指す場合、対象になるのは食品衛生法の「菓子製造業」の営業許可を得た施設での仕事です。千葉県の受験案内の例では、飲食店営業の許可だけのお店は対象外とされています。

カフェで焼き菓子を作っていても、お店の許可の種類によっては対象にならないことも。勤め先の許可を一度確かめておくと安心です。

迷ったら進路の全体像から考える

高校生か社会人かで、選べる道も考え方も変わります。自分の立場に合わせた進路の選び方は、製菓衛生師になるには?にまとめています。

学校で学ぶ道と、働きながら目指す道を、今の状況から選ぶ判定の流れを示した図解

製菓衛生師の学校選びでよくある相談

相談が多いのは「1年制で足りるか」と「学校に行かなくてもいいか」

学校選びの相談では、修業年限と、学校に通う必要があるかの2つがとくによく聞かれます。代表的な3つに答えます。

1年制の専門学校でも受験資格は取れる?

1年制のコースでも、製菓衛生師の受験資格が得られるのかという相談です。

受験資格の条件は「養成施設で1年以上学ぶこと」なので、指定された課程なら1年制でも満たせます。大事なのは年数より、そのコースが一覧に載っている課程かどうかなんです。

高校卒業と同時に1年制に進み、その年度の試験を目指す流れを考えている方もいますよね。試験の時期は都道府県で違うので、学校がどの試験を受ける前提で授業を組んでいるかも聞いてみてください。

専門学校に行かなくても、独学で合格できる?

製菓の専門学校に行かなくても、独学で試験に合格できるのかという相談です。

試験そのものは筆記で、勉強は独学でもできます。ただ、試験を受けるには受験資格が必要で、学校に行かない場合は菓子製造業で2年以上働くことが条件になります。

つまり「独学で合格できるか」の前に、「受験資格をどちらの道で得るか」を決める必要があるんです。お店で働きながら、市販のテキストや過去問で勉強して受験する方もいます。

調理師の学校でもパティシエを目指せると聞いた。違いは?

製菓衛生師の受験資格が得られる学校は意外と少ないのに、調理師の学校でもパティシエを目指せると聞いて迷っている、という相談です。

調理師の学校でもお菓子づくりを学べることはあります。ただ、調理師養成施設を出て得られるのは調理師の免許で、製菓衛生師の受験資格ではありません。

「製菓の仕事がしたい」のか、「製菓衛生師の資格がほしい」のかで選び方が変わります。両方の資格の違いは、製菓衛生師と調理師の違いも参考になりますよ。

よくある質問

製菓衛生師専門学校を卒業すれば、製菓衛生師になれますか?

卒業で得られるのは試験の受験資格です。製菓衛生師試験に合格し、免許を申請して名簿に登録されると、製菓衛生師と名乗れるようになります。

製菓衛生師養成施設かどうかは、どこで分かりますか?

厚生労働省が公開している製菓衛生師養成施設の一覧で確かめられます。同じ学校でもコースによって扱いが違うことがあるので、学校にも確認してみてください。

働きながら製菓衛生師の学校に通えますか?

夜間課程や通信課程を置いている養成施設があります。通信課程にはスクーリング(登校日)があるので、仕事の休みと合うかを先に確かめておくと安心です。

社会人になってからでも製菓衛生師の学校に入れますか?

社会人の学び直しで養成施設に入る方もいます。雇用保険に加入していた人は、教育訓練給付制度の対象の課程なら費用の一部の支給を受けられることがあるので、厚生労働省の検索システムで対象かどうかを調べてみてください。

学校を選ぶ時に、合格率は見た方がいいですか?

合格率の出し方は学校ごとに違うことがあるので、数字だけで比べるのはおすすめしません。試験対策の授業の中身や、学ぶ分野が自分に合うかで比べてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 「製菓衛生師が取れる学校」とは、試験の受験資格が得られる製菓衛生師養成施設のこと
  • 免許は試験に合格して申請し、名簿に登録されてから交付される
  • 養成施設かどうかは厚生労働省の一覧で、コース単位で確かめる
  • 課程は昼間・夜間・通信の3つで、生活に合わせて選ぶ
  • 学校は6つの観点で並べ、オープンキャンパスで質問して確かめる
  • 菓子製造業で2年以上働いて受験資格を得る道もある

製菓衛生師という資格そのものを知りたい方は、製菓衛生師とは?から読むと全体がつかめます。

まずは厚生労働省の一覧で、通える範囲の養成施設を書き出してみるところから始めてみましょう。

製菓衛生師ドットコム

製菓衛生師ドットコム 編集部

製菓衛生師とはどんな資格か、受験資格と取り方、試験の内容と対策、専門学校や通信課程での学び方、調理師など関連資格との違いまでを、これから目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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