製菓衛生師試験の対策|独学の勉強法と過去問の使い方

製菓衛生師試験の対策として、独学の勉強法と過去問の使い方を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が厚生労働省・都道府県などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。試験日程や受験資格、手数料は都道府県や年度によって変わることがあるため、最新の情報は受験する都道府県(実施団体)の公式サイトで確認してください。

製菓衛生師試験を受けると決めたものの、6科目もあって何から勉強すればいいのか分からない。仕事をしながらだと、時間も限られますよね。

結論から言うと、製菓衛生師試験の対策は「科目ごとに勉強の重さを変える」ことと「公開されている過去問をくり返す」ことの2つが軸になります。

この記事を読むと、独学での勉強の進め方と、過去問の使い方が具体的に分かります。

目次

製菓衛生師試験の対策は、何から始める?

先に結論

最初にやるのは、受験する都道府県の過去問を1年分、時間を計らずに解いてみることです。今の自分がどの科目でつまずくかが分かると、勉強の順番が決まります。

『いきなり過去問なんて、まだ何も勉強していないのに』と思いますよね。

実は、まだ点が取れない状態で解くからこそ意味があるんです。どの科目がまったく分からないか、どの科目なら勘でも答えられそうかが見えてきます。

試験の形をおさらい

対策を始める前に、試験の形をざっと押さえておきましょう。

項目内容
形式筆記(四肢択一・マークシート)
科目衛生法規・公衆衛生学・食品学・食品衛生学・栄養学・製菓理論及び実技
問題数・時間60問以上・120分以上(千葉県・関西広域連合などは60問)
製菓実技和菓子・洋菓子・製パンから1つを選ぶ筆記の問題
合格基準都道府県ごと。千葉県の令和8年度の例は合計6割以上かつ各科目が最低基準以上

試験の中身や日程のくわしい話は、製菓衛生師試験の内容と日程にまとめています。合格基準や試験日は、最新の情報を受験する都道府県(実施団体)の公式サイトで確認しておいてください。

最初の1週間でやること

製菓衛生師対策の最初の1週間
  1. 受験する都道府県(実施団体)の受験案内で、試験日と合格基準を確かめる
  2. 公式サイトから過去問題と正答を1年分保存する
  3. 時間を計らずに、全科目をひと通り解いてみる
  4. 科目ごとに、正解した数をメモする
  5. テキストを1冊選び、目次で6科目の範囲を眺める

この1週間で、勉強の地図ができます。あとは、地図を見ながら重さを決めていくだけです!

科目ごとの勉強の重さを、どう決める?

「出題割合」と「覚える量」の2つで決める

勉強の時間は、6科目に同じだけ配る必要はありません。たくさん出る科目か、覚えることが多い科目かの2つで、どこに時間をかけるか決めましょう。

『製菓理論が4割なら、そこだけやればいいの?』という声もよく聞きます。ただ、合格基準には科目ごとの最低点があるので、少ない科目も捨てられないんです。

そこで編集部では、出題割合と覚える量をかけ合わせて、勉強の重さを3段階に分けてみました。

科目出題割合60問の例覚える量の目安勉強の重さ
製菓理論及び実技40%理論18問・実技6問多い(材料・工程・道具)重い
食品衛生学20%12問多い(食中毒・添加物・衛生管理)重い
公衆衛生学15%9問ふつう(用語と考え方)ふつう
食品学10%6問ふつう(食品の成分と性質)ふつう
栄養学10%6問ふつう(栄養素のはたらき)ふつう
衛生法規5%3問少ない(法律の要点)軽いが落とせない
出題割合と覚える量をかけ合わせて、6科目の勉強の重さを重い・ふつう・軽いが落とせないの3段階に分けた図解

重い科目は、毎日少しずつ

製菓理論及び実技と食品衛生学は、全体の6割を占めます。ここは、勉強の時間のいちばん大きな部分を使う科目です。

製菓理論は、ふだんお菓子を作っている人なら理解しやすい内容が多いはずです。例えば「スポンジが膨らむのはなぜか」を説明できるか、自分に聞いてみてください。

食品衛生学は、食中毒の原因と予防、添加物、器具の洗浄や消毒などが中心です。現場で毎日やっている作業の「理由」を覚えていく感覚で進めると、頭に入りやすいですよ。

ふつうの科目は、用語をセットで覚える

公衆衛生学・食品学・栄養学は、用語と意味をセットで覚える科目です。単語帳のように、表に用語、裏に意味を書いて覚えるやり方が向いています。

食品学と栄養学は、材料の話としてつながっています。「小麦粉の主な成分」と「その栄養素の体の中でのはたらき」を、一緒に覚えてしまうのも手です。

衛生法規は、少ないからこそ取りこぼさない

衛生法規は、60問の例で3問しかありません。ただ、3問だと1問の重みがとても大きいんです。

製菓衛生師法の目的、名称を使える人、免許を出すのは誰か、といった基本を押さえておけば、得点源になります。覚える量が少ないので、試験直前の確認にも向いている科目です。

科目ごとの覚え方のコツ

科目によって、向いている覚え方は違います。同じやり方で6科目を回すより、科目に合わせて変えた方が、少ない時間でも頭に残りやすいんです。

科目向いている覚え方例えばこんな練習
製菓理論作業の理由を説明する「メレンゲに砂糖を分けて入れるのはなぜ?」と自分に聞く
製菓実技選んだ分野の工程を順に言う作り慣れたお菓子の工程を、材料から順に書き出す
食品衛生学原因と予防をセットにする食中毒の原因ごとに、防ぎ方を1行で書く
公衆衛生学用語と意味を対にする単語カードの表に用語、裏に意味を書く
食品学・栄養学材料と栄養素をつなげる卵・小麦粉・砂糖の主な成分と、そのはたらきを並べる
衛生法規法律の要点を短い文で覚える「製菓衛生師の免許を出すのは誰か」を一言で答える

3か月で仕上げる勉強スケジュール例

3か月を「土台」「演習」「仕上げ」に分ける

働きながらでも続けやすいように、3か月を3つの時期に分けた例を作りました。試験日から逆算して、1か月ごとにやることを変えていきます。

『3か月って、長いのか短いのか分からない』という方もいますよね。

期間は人によって違って大丈夫です。ここでは、平日に少し、休みの日に多めに勉強する場合を例にしています。

時期期間の目安やることゴール
土台1か月目テキストで6科目をひと通り読む。重い科目から始める全科目の用語に一度は触れている
演習2か月目過去問を科目ごとに解き、間違えた所をテキストで読み直す科目ごとの苦手が分かっている
仕上げ3か月目過去問を1年分ずつ時間を計って解く。弱い科目を集中して見直す合計6割を安定して超え、極端に低い科目がない

1週間の過ごし方の例

例えば、ケーキ屋で週5日働いている人なら、平日は短い時間をこまめに使い、休みの日にまとまった時間を取るのが続けやすい形です。

曜日勉強の例
平日(仕事の日)通勤や休けいの時間に、用語を10個ほど覚える
平日の夜過去問を科目ごとに5問だけ解く
休みの日テキストを1章読み、その章の過去問をまとめて解く
週の最後1週間で間違えた問題だけを解き直す

『平日はくたくたで、机に向かう元気がない』という日もありますよね。

そんな日は、用語を数個見るだけでも十分です。0の日を作らないことの方が大事なんです。

机の上に過去問のプリントとテキストを広げ、鉛筆で問題を解いている手元の写真

働きながら勉強する時間の作り方

朝が早い製菓の仕事だと、夜にまとまった時間を取るのは難しいこともあります。そんな方は、勉強の時間を「探す」より「決める」方が続きます。

時間を作るためのチェック
  • 通勤や休けいの時間に、用語を覚える時間を決める
  • スマホに過去問の画像を保存して、すき間時間に1問ずつ解く
  • 休みの日のうち、どの時間を勉強に使うか先に決める
  • 試験の1か月前からは、休みの日の予定を減らしておく
  • 職場で同じ試験を受ける人がいれば、問題を出し合う

3か月より短い時しかない場合

試験まで1か月しかない、という方もいるはずです。その場合は、土台の時期を短くして、過去問を中心に進めましょう。

過去問を解いて、間違えた所だけテキストで調べる。これをくり返すだけでも、出やすい所は自然と身についていきます。

過去問はどこで手に入れて、どう使う?

過去問は、実施団体の公式サイトで手に入る

多くの都道府県や関西広域連合が、過去の試験問題と正答を公式サイトで公開しています。三重県・秋田県・関西広域連合などがその例です。

『過去問って、買わないと手に入らないと思っていた』という方も多いですよね。実は、無料で公開されているものがたくさんあるんです。

過去問の集め方

過去問を集める手順
  1. 受験する都道府県(実施団体)の製菓衛生師試験のページを開く
  2. 過去の試験問題と正答が公開されていないか探す
  3. 公開されていれば、何年分かを保存する
  4. 足りない時は、ほかの都道府県や関西広域連合の公開分も集める
  5. 年度と実施団体の名前をファイル名に入れて整理する

試験基準は全国共通なので、ほかの都道府県の過去問も練習に使えます。ただし出題の傾向や表現は実施団体ごとに違うので、受験する地域の問題を中心にしておきましょう。

1周目・2周目・直前で使い方を変える

過去問は、同じ問題を何度も解くことで力になります。ただ、毎回同じやり方だと飽きてしまうので、周回ごとに目的を変えてみてください。

周回時期やり方目的
1周目演習の時期科目ごとに解く。時間は計らない出る所と、自分の苦手を知る
2周目演習から仕上げの時期間違えた問題だけを解き直す。解説やテキストで理由を確かめる苦手を1つずつ減らす
直前試験の2〜3週間前1年分を120分で通して解く時間配分と、合計点の感覚をつかむ

正解したかより「なぜそうなるか」

過去問を解く時は、正解か不正解かで終わらせないことが大事です。ほかの3つの選択肢がなぜ違うのかを、一言で言えるか確かめてみてください。

例えば、食品衛生学で食中毒の問題が出た時に、「この菌は加熱に強いか弱いか」まで言えれば、形を変えた問題にも答えられます。

よくある失敗

答えの番号だけを覚えてしまい、本番で選択肢の順番が変わると解けなくなるケースです。2周目からは、選択肢を隠して「答えは何か」を自分の言葉で言ってから選ぶ練習をしてみてください。

解き直しノートを作っておく

間違えた問題は、ノートかスマホのメモに「問題の要点」と「正しい答えの理由」を1行ずつ書いておきましょう。問題文を全部写す必要はありません。

例えば「洋菓子の問題、焼き菓子の温度の話。理由はテキストの該当ページ」くらいの短さで十分です。

このノートが、試験直前にいちばん頼りになる自分だけの教材になります。

過去問を1周目は科目ごとに、2周目は間違えた問題だけ、直前は1年分を時間を計って解く、使い方の変化を示した図解

足切りを避ける弱点つぶしチェック

合計点より先に、低すぎる科目を無くす

合格基準には、科目ごとの最低点があるのが一般的です。合計で6割を超えていても、1科目だけ極端に低いと不合格になることがあります。

『得意な製菓理論で稼げば大丈夫』と思いがちですよね。ただ、それだけだと衛生法規や栄養学で思わぬ落とし穴にはまることもあるんです。

科目ごとの点数を記録する

過去問を1年分解いたら、合計点だけでなく科目ごとの正解数を記録しておきましょう。表にしておくと、どの科目が足を引っぱっているかがひと目で分かります。

科目1回目2回目3回目メモ
衛生法規
公衆衛生学
食品学
食品衛生学
栄養学
製菓理論
製菓実技
弱点つぶしのチェックリスト
  • 正解数が半分に届かない科目がないかを確かめる
  • 衛生法規の問題を、すべて正解できるか確かめる
  • 製菓実技は、選ぶ分野を1つに決めてから解く
  • 同じ問題を2回続けて間違えたら、テキストに印をつける
  • 試験の2週間前に、印をつけた所だけを読み直す

製菓実技の分野は、早めに1つに決める

製菓実技は、和菓子・洋菓子・製パンから1つを選んで解く問題です。ふだん触れている分野がある人は、その分野を選ぶのが自然です。

例えば、パン屋で働いている人なら製パン、和菓子屋で働いている人なら和菓子を選ぶと、現場の知識がそのまま点になります。過去問を解く時も、選んだ分野だけを解いてかまいません。

試験の前日と当日に気をつけたいこと

前日は、新しい問題に手を出すより、解き直しノートと衛生法規の要点を見返すくらいにしておきましょう。早めに寝て、当日の頭をすっきりさせる方が点につながります。

前日と当日の確認リスト
  • 受験票と、受験案内に書かれた持ち物をそろえる
  • 試験会場までの行き方と、かかる時間を確かめる
  • 製菓実技で選ぶ分野をもう一度決めておく
  • 解答用紙の番号と問題の番号がずれていないか、解きながら確かめる
  • 迷った問題は印をつけて先に進み、最後に戻る

『当日になったら、選ぶ分野を迷ってしまいそう』という方は、前日に「自分は洋菓子で解く」と紙に書いておくのがおすすめです。小さなことですが、迷う時間が減りますよ。

独学で行き詰まった時の選択肢

独学で進めていると、テキストを読んでも分からない所で止まってしまうこともありますよね。

そんな時は、質問できる講座や通信講座を使うのも1つの方法です。教材の中身や質問のしかた、模擬試験の有無を比べてから選ぶと、自分に合うものが見つけやすくなります。

講座の資料を取り寄せて比べたい方は、製菓の専門学校・講座を資料請求で比べる方法を参考にしてみてください。通信講座と受験資格の関係は、製菓衛生師は通信講座で取れる?で紹介しています。

製菓衛生師ドットコム

製菓の学校・講座を比べたい方へ

製菓衛生師を目指す道は、製菓専門学校(養成施設)の昼間・夜間・通信課程、大学・短大、お店で働きながらの実務経験とさまざまです。自分に合う学び方を選ぶには、気になる学校や講座の資料を取り寄せて、実習の量や試験対策、就職の支え方を見比べるのが近道です。比べ方のチェックポイントをまとめました。

無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る

受験資格が得られるのは都道府県知事が指定した養成施設です。指定の有無は厚生労働省の養成施設一覧や各学校の案内で確認できます。

製菓衛生師の試験対策でよくある相談

相談の多くは「直前で間に合うか」と「教材の選び方」

試験対策についての相談では、時間が足りない不安と、どの教材を使えばいいかの迷いがとくに多いです。代表的な3つに答えます。

食品衛生学が、調べても全然分からない

食品衛生学の試験対策をしているものの、調べても内容が理解できず、試験直前で焦っているという相談です。

食品衛生学は、食中毒・添加物・衛生管理など、覚える範囲が広い科目です。全部を一度に分かろうとすると、どこから手をつければいいか分からなくなってしまいます。

まずは過去問で何度も出ている所から覚えてみてください。例えば食中毒なら、原因になるものと、それを防ぐ方法をセットで覚えるだけでも点につながります。

「この菌は何が原因で、どうすれば防げるか」と自分に問いかけながら進めると、現場の作業ともつながって覚えやすくなりますよ。

試験まで数日なのに、勉強しても頭に入らない

試験まであと数日なのに、勉強しても頭に入らず、周りの人はたくさん勉強していて焦っているという相談です。

直前の時期に新しい範囲を詰め込もうとすると、かえって頭に入りません。残りの日数は、過去問で間違えた問題の見直しと、衛生法規の要点の確認に絞るのがおすすめです。

衛生法規は3問ほどと少ないぶん、短い時間で確認できます。直前は「新しく覚える」より「落とさない」を意識してみてください。

何年か前のテキストでも勉強できる?

手元にある数年前の教科書で勉強しても大丈夫か、という相談です。

食品学や栄養学、製菓理論の基本は、年ごとに大きく変わる内容ではありません。ただ、衛生法規は法律の改正が反映されているかが気になるところです。

古いテキストを使う場合は、衛生法規の所だけでも最新の過去問で確かめてみてください。過去問の正答とテキストの内容が合わない所があれば、そこが改正された所かもしれません。

よくある質問

製菓衛生師試験の対策は、独学でもできますか?

市販のテキストと、実施団体が公開している過去問を使って独学で対策する方もいます。質問できる相手がほしい方や、ペースを作ってほしい方は、講座を使うのも1つの方法です。

製菓衛生師試験対策の勉強は、どのくらい前から始めればいいですか?

この記事では3か月の例を紹介しましたが、必要な期間は人によって違います。まず過去問を1年分解いてみて、今の正解数から逆算して決めてみてください。

勉強にアプリを使うのは効果がありますか?

すき間時間に用語を覚えるのには役立ちます。ただ、本番は実施団体が作った問題なので、仕上げは公開されている過去問で確かめておくと安心です。

製菓実技は、どの分野を選ぶのがいいですか?

ふだん触れている分野を選ぶのが自然です。過去問を解いて、いちばん点が取りやすい分野を早めに1つに決めておきましょう。

合格したら、すぐに製菓衛生師になれますか?

合格したあとに、住所地の都道府県に免許を申請する必要があります。名簿に登録されて免許証が交付されてから、製菓衛生師と名乗れます。

まとめ

この記事の要点
  • 最初に過去問を1年分解いて、苦手な科目を知る
  • 勉強の重さは、出題割合と覚える量の2つで決める
  • 3か月なら土台・演習・仕上げの3つの時期に分けて進める
  • 過去問は実施団体の公式サイトで公開されていることが多く、周回ごとに使い方を変える
  • 合計点より先に、低すぎる科目を無くして足切りを避ける

受験資格から免許までの流れを確かめたい方は、製菓衛生師の取り方も読んでみてください。資格そのものの全体像は製菓衛生師とは?で紹介しています。

まずは今日、受験する都道府県の過去問を1年分保存するところから始めてみましょう。

製菓衛生師ドットコム

製菓衛生師ドットコム 編集部

製菓衛生師とはどんな資格か、受験資格と取り方、試験の内容と対策、専門学校や通信課程での学び方、調理師など関連資格との違いまでを、これから目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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