当サイトの記事は、編集部が厚生労働省・都道府県などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。試験日程や受験資格、手数料は都道府県や年度によって変わることがあるため、最新の情報は受験する都道府県(実施団体)の公式サイトで確認してください。
受験資格はそろったけれど、製菓衛生師試験がどんな試験なのか、いつあるのかがよく分からない。そんな方も多いはずです。
結論から言うと、製菓衛生師試験は6科目・60問前後の筆記試験で、試験日も合格基準も受験する都道府県(実施団体)ごとに決まります。
この記事を読むと、試験の中身と合格基準の読み方、日程の調べ方がひと通り分かります。
製菓衛生師試験は、どんな試験?
製菓衛生師試験は、四肢択一のマークシートで答える筆記試験です。お菓子を実際に作る実技試験はありません。
『実技があるなら、練習しないといけないのかな』と心配している方もいますよね。
実は、科目名に「製菓理論及び実技」とありますが、これも筆記で答える問題なんです。和菓子・洋菓子・製パンの中から1つを選んで解きます。
試験のあらまし
試験は製菓衛生師法にもとづき、厚生労働大臣が定めた基準で都道府県知事が行います。全体像を表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施するところ | 都道府県(関西のように広域連合でまとめて行う地域もある) |
| 形式 | 筆記試験(四肢択一・マークシート) |
| 科目 | 衛生法規・公衆衛生学・食品学・食品衛生学・栄養学・製菓理論及び実技の6科目 |
| 問題数 | 60問以上(千葉県・関西広域連合などは60問) |
| 試験時間 | 120分以上 |
| 実技 | 筆記で、和菓子・洋菓子・製パンから1つを選ぶ |
| 回数 | 都道府県ごとに年1回程度(2年に1回の県もある) |
受験できる人
試験を受けられるのは、中学校卒業以上で、次のどちらかに当てはまる人です。
- 製菓衛生師養成施設で1年以上、必要な知識と技能を学んだ人
- 菓子製造業に2年以上たずさわった人
条件のくわしい読み方は、製菓衛生師の受験資格で紹介しています。
6科目は何が出る?出題割合と問題数
出題の割合は、製菓理論及び実技がおよそ40%でいちばん多く、次に食品衛生学の20%が続きます。この2つで全体の6割を占めます。
『6科目もあると、どこから手をつければいいか分からない』という声もよく聞きます。まずは、各科目がどのくらい出るのかを見てみましょう。
試験基準で決められている出題割合と、60問で行う都道府県の問題数の例(千葉県・関西広域連合など)を並べました。
| 科目 | 出題割合の目安 | 60問の場合の問題数の例 |
|---|---|---|
| 衛生法規 | 5% | 3問 |
| 公衆衛生学 | 15% | 9問 |
| 食品学 | 10% | 6問 |
| 食品衛生学 | 20% | 12問 |
| 栄養学 | 10% | 6問 |
| 製菓理論 | 40%(実技と合わせて) | 18問 |
| 製菓実技 | 同上 | 6問 |

衛生と法律の科目
衛生法規は、製菓衛生師法や食品衛生法など、お菓子を作る仕事に関わる法律の問題です。問題数は少ないものの、0点にしてしまうと合格基準で不利になることがあります。
公衆衛生学は、地域や職場の健康を守る考え方の科目です。食品衛生学は、食中毒の防ぎ方や添加物、衛生管理など、現場に直結する内容が中心です。
食べ物と栄養の科目
食品学では、小麦粉・砂糖・卵・乳製品など、食品そのものの性質を学びます。栄養学は、栄養素のはたらきと、体の中での使われ方の科目です。
どちらも、ふだんお菓子を作っている人ほど「材料の話だ」とイメージしやすいはずですよ。
製菓理論と製菓実技
製菓理論は、お菓子づくりの材料・道具・工程の理屈を問う科目です。製菓実技は、和菓子・洋菓子・製パンから1つを選び、その分野の作り方を筆記で答えます。
ちなみに、菓子製造技能士(1級・2級)の技能検定に合格している人は、「製菓理論及び実技」が免除になります。技能士との違いは製菓衛生師と菓子製造技能士の違いで紹介しています。
時間の使い方の目安
60問を120分で解く場合、1問あたりに使える時間は2分ほどです。四肢択一なので、じっくり考えても時間が足りなくなることは少ないはずです。
ただ、マークのずれは見直さないと気づけません。最後の15分ほどは見直しに使う、と決めておくと安心ですよ。
- 迷った問題には印をつけて、先に進む
- 製菓実技は、選んだ分野の問題だけを解く
- 解答用紙の番号と問題の番号がずれていないかを確かめる
- 最後に、印をつけた問題に戻って見直す
暗記・理解・選択で分けると、科目の見え方が変わる
出題割合だけで見ると、製菓理論ばかりに目がいきます。ただ、勉強のしかたで分けると「覚えれば取れる科目」「仕組みが分かれば取れる科目」「自分で選ぶ科目」の3つに分かれます。
ここは編集部が、勉強の進め方から考えた分け方です。どの科目にどう向き合うかを決める時の目安にしてみてください。
| グループ | 科目 | 特徴 | 向き合い方 |
|---|---|---|---|
| 暗記で取る科目 | 衛生法規・公衆衛生学・栄養学 | 法律の名前、数字、用語を覚えているかが問われやすい | 短い時間をこまめに使い、くり返し覚える |
| 理解で取る科目 | 食品学・食品衛生学・製菓理論 | 「なぜそうなるか」が分かると、初めて見る問題にも答えやすい | 現場の作業と結びつけて理解する |
| 選択で取る科目 | 製菓実技 | 和菓子・洋菓子・製パンから1つを選んで解く | ふだん触れている分野を選ぶ |
現場で働いている人は「理解の科目」が強み
例えば、洋菓子店で2年以上働いてから受ける人は、製菓理論や食品衛生学の中身を体で知っていることが多いです。
「バターを冷やしておくのはなぜか」「手洗いや器具の消毒をどの順でするか」。こうした毎日の作業が、そのまま問題の答えにつながっているんです。
その一方で、衛生法規や公衆衛生学は、現場ではあまり意識しない内容ですよね。ここは暗記の時間を別に取っておくと安心です。
学校で学んだ人は「選択の科目」を早めに決める
養成施設で学んだ人は、6科目をひと通り授業で触れています。ただ、製菓実技でどの分野を選ぶかは、早めに決めておきましょう。
『どれでも解けそうだから、当日決めればいいか』という方もいますよね。ただ、分野ごとに出る中身は違うので、1つに絞って過去問を解いておく方が点が安定します。
- 過去問をその分野だけに絞って解ける
- 用語や工程を集中して覚えられる
- 当日迷う時間が無くなる
- どの分野も浅い理解のままになりやすい
- 過去問を解く量が分散する
- 試験中に問題を見比べて時間を使ってしまう
合格基準は、どう読めばいい?
合格基準は都道府県ごとに決められています。多くは「全体の合計点が6割以上」で、さらに「科目ごとの最低点を下回らないこと」も条件になっています。
『合計で6割取れれば合格なんでしょ?』と思っている方も多いですよね。実は、もう1つ条件がある場合がほとんどなんです。
千葉県の例で見てみる
千葉県の令和8年度の試験では、合格基準が「6科目の合計36点以上(6割)かつ各科目が最低基準以上」とされています。60問なら、36問以上の正解が1つ目の条件です。
2つ目の条件は、科目ごとの最低点です。1科目でも極端に点が低いと、合計が36点を超えていても不合格になる仕組みなんです。
| 合計点 | 科目ごとの点 | 結果の考え方(千葉県の例) |
|---|---|---|
| 36点以上 | すべての科目が最低基準以上 | 合格の条件を満たす |
| 36点以上 | 1科目でも最低基準を下回る | 不合格になる |
| 36点未満 | すべての科目が最低基準以上 | 不合格になる |
「最低基準」は実施団体ごとに違う
最低点の決め方や書き方は、都道府県によって違います。「各科目の最低基準」とだけ書かれている場合もあり、細かな線引きは受験案内で確かめるしかありません。
だからこそ、自分が受ける都道府県の受験案内で、合格基準の書き方を確かめておくことが大事です。
得意な製菓理論で点を稼げばいいと考えて、問題数の少ない衛生法規を後回しにしてしまうケースです。衛生法規は3問ほどしかないので、1〜2問落とすだけで最低基準に近づいてしまいます。少ない科目こそ、取りこぼさない準備をしておきましょう。
具体的な勉強の進め方は、製菓衛生師試験の対策で科目ごとに紹介しています。

試験日はいつ?都道府県ごとにばらばらな理由と調べ方
製菓衛生師試験は、都道府県知事がそれぞれ行う試験です。そのため、試験日・申込期間・受験手数料・会場は、都道府県(実施団体)ごとにばらばらです。
『全国で同じ日に試験がある』と思っていた方は、ここで驚くかもしれません。調理師試験などと同じく、都道府県単位で行われる試験なんです。
試験日の例
令和8年度の試験日の例を2つ挙げます。年度ごとに変わるので、あくまで「例」として見てください。
| 実施団体 | 令和8年度の試験日 | そのほか |
|---|---|---|
| 千葉県 | 10月7日 | 受験手数料9,400円 |
| 関西広域連合 | 7月12日(午後1時30分〜3時30分の2時間) | 7府県でまとめて実施 |
同じ年度でも、7月と10月で3か月近く違いますよね。ほかにも、秋田県のように2年に1回の実施になっている県もあります。
関西広域連合の製菓衛生師試験とは
関西では、滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・徳島県の7府県の試験を、関西広域連合がまとめて行っています。
関西広域連合の製菓衛生師試験を受ける場合は、これらの府県ごとではなく、関西広域連合の案内を見ることになります。
例えば大阪府に住んでいる人も、兵庫県のお店で働いている人も、受験案内は関西広域連合のものを見ます。令和8年度の例では、7府県の試験が7月12日の1日にまとめて行われました。
『大阪府のサイトを探したのに、試験の案内が見つからない』という時は、関西広域連合のページを見てみてください。日程や申込方法は関西広域連合 製菓衛生師試験のページで確かめられます。
ほかの都道府県でも受験できる
製菓衛生師試験は、住んでいる都道府県でしか受けられないわけではありません。ほかの都道府県の試験を受けることもできます。
例えば、地元の試験日にどうしても仕事が休めない時は、別の都道府県の日程を探すという方法もあります。ただし、申込方法や必要な書類は実施団体ごとに違うので、受験案内で確かめてみてください。
過去の試験日を調べたい時は
2021年や2022年など、過去の年度の試験日を調べたい方もいますよね。製菓衛生師試験の試験日2022年分のような過去の日程は、各実施団体の公式サイトに残っていることがあります。
過去の日程が分かると、「毎年このくらいの時期にある」という目安がつかめます。次の試験に向けた勉強の計画を立てやすくなりますよ。
- 受験したい都道府県(関西なら関西広域連合)の名前と「製菓衛生師試験」で公式サイトを探す
- 今年度の受験案内(試験日・申込期間・手数料・会場)を開く
- 申込期間を手帳やスマホの予定に入れる
- 今年度の案内がまだ出ていない時は、過去の年度の試験日から時期の目安をつかむ
- 過去の試験問題が公開されていれば、あわせて保存しておく
千葉県の場合は千葉県 製菓衛生師試験のページに案内があります。最新の日程や手数料は、受験する都道府県(実施団体)の公式サイトで確認してください。
申し込む前にそろえておきたいこと
試験日が分かったら、次は申し込みの準備です。受験案内を読みながら、次の表を埋めてみてください。
| 確かめること | どこで分かるか | メモしておくこと |
|---|---|---|
| 申込期間 | 受験案内 | 締め切りの日と、郵送か窓口か |
| 受験手数料 | 受験案内 | 金額と払い方 |
| 受験資格の証明書類 | 受験案内 | 養成施設の修了証明か、菓子製造業従事証明書か |
| 試験会場 | 受験案内・受験票 | 会場までの行き方と所要時間 |
| 合格発表 | 受験案内 | 発表の日と、確かめる方法 |
実務経験で受ける人は、とくに証明書類の準備に時間がかかりがちです。千葉県の例では、菓子製造業従事証明書を営業者に作ってもらい、原則として業界組合の裏書も必要とされています。
複数のお店で働いた人は、お店ごとに1通ずつ必要になることも。申込期間が始まる前から、勤め先に相談しておきましょう。
過去問題も公式サイトで公開されている
多くの都道府県や関西広域連合は、過去の試験問題と正答を公式サイトで公開しています。三重県・秋田県・関西広域連合などがその例です。
2021年の製菓衛生師試験の問題を解いてみたい、という時も、まずは実施団体のサイトを探してみてください。
製菓衛生師ドットコム
製菓の学校・講座を比べたい方へ
製菓衛生師を目指す道は、製菓専門学校(養成施設)の昼間・夜間・通信課程、大学・短大、お店で働きながらの実務経験とさまざまです。自分に合う学び方を選ぶには、気になる学校や講座の資料を取り寄せて、実習の量や試験対策、就職の支え方を見比べるのが近道です。比べ方のチェックポイントをまとめました。
無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る受験資格が得られるのは都道府県知事が指定した養成施設です。指定の有無は厚生労働省の養成施設一覧や各学校の案内で確認できます。
製菓衛生師試験でよくある相談
試験についての相談では、自己採点の結果が合格基準を満たしているかと、不合格だった時にどうなるかがよく聞かれます。代表的な3つに答えます。
合計は6割を超えたのに、衛生法規が3問中1問しか合っていない
自己採点で合計は合格基準を超えていたものの、衛生法規だけ3問中1問しか正解していなかった、という相談です。科目ごとの最低点に引っかからないか心配しています。
科目ごとの最低点の決め方は、受験した都道府県によって違います。1科目でも極端に低いと不合格になる仕組みが一般的ですが、どこからが「低い」かの線引きは実施団体ごとです。
そのため、ほかの県の話をそのまま当てはめるのは危ないんです。受験した実施団体の受験案内にある合格基準の書き方を、もう一度読んでみてください。
不合格だったら、また2年働かないと受験できない?
今年受けて不合格だった場合、来年また受けるには、もう一度2年間お菓子の製造の仕事をする必要があるのか、という相談です。
受験資格は「養成施設で1年以上学んだ」か「菓子製造業に2年以上たずさわった」という条件です。試験に落ちたからといって、すでに満たした経験が無かったことになるわけではありません。
ただし、申し込む時に必要な書類は実施団体ごとに決まっています。前の年に出した証明書類をどう扱うかも含めて、次の年の受験案内で確かめてみてください。
実技の試験では、何をするの?
試験は学科と実技と聞いたけれど、実技では実際に何を作るのか、という相談です。
製菓衛生師試験の「製菓理論及び実技」は、すべて筆記の問題です。製菓実技は和菓子・洋菓子・製パンから1つを選び、作り方や工程についての問題にマークシートで答えます。
実際にお菓子を作る試験ではないので、道具を持っていく必要もありません!お菓子を作る腕を証明したい方には、実技試験がある菓子製造技能士という別の国家検定があります。
よくある質問
製菓衛生師試験は年に何回ありますか?
都道府県(実施団体)ごとに年1回程度です。秋田県のように2年に1回の県もあります。日程は実施団体ごとに違うので、受験したい地域の公式サイトで確かめてみてください。
製菓実技の分野は、申し込む時に決めるのですか?
製菓実技は試験の中で和菓子・洋菓子・製パンから1つを選んで解きます。選び方や答案への記入方法は、受験案内と問題用紙の注意書きで確かめてみてください。
菓子製造技能士を持っていると、試験で免除される科目はありますか?
菓子製造技能士(1級・2級)の技能検定に合格している人は、「製菓理論及び実技」が免除になります。申し込みの時の手続きは、受験する都道府県の受験案内で確かめてみてください。
関西広域連合の試験を受ける場合、どこに申し込めばいいですか?
滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・徳島県の試験は関西広域連合がまとめて行っています。申込方法は関西広域連合の製菓衛生師試験のページで確かめられます。
合格したら、すぐに製菓衛生師と名乗れますか?
合格しただけでは名乗れません。住所地の都道府県に免許を申請し、名簿に登録されて免許証が交付されてから名乗れます。手続きは製菓衛生師の免許申請で紹介しています。
まとめ
- 製菓衛生師試験は6科目・60問前後の筆記試験で、実際に作る実技試験はない
- 出題は製菓理論及び実技がおよそ4割、食品衛生学が2割
- 科目は暗記・理解・選択の3つに分けると、勉強の向き合い方が決めやすい
- 合格基準は合計6割と科目ごとの最低点の2段構えで、細部は実施団体ごとに違う
- 試験日・手数料・会場は都道府県ごとにばらばらで、関西は関西広域連合が7府県まとめて実施
- 過去の試験日や過去問題は、各実施団体のサイトで確かめられる
受験資格から免許までの流れ全体を見ておきたい方は、製菓衛生師の取り方も読んでみてください。
まずは受けたい都道府県の受験案内を開いて、試験日と申込期間を予定に入れるところから始めてみましょう。





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